奥のコソ道

池田ですが、イケイケではないです。イケてない方のイケダです

GTO!GTO!

車の免許を取得して以来

助手席もしくは後部座席専門家であり
無事故無違反のペーパードライバーの名をほしいままにしてたんだけど

1年くらい前に、これが神様のお導き!って感じで
ふと、乗らざるを得ないことになりまして

しぶしぶ乗ってみたら
めっちゃくちゃ楽しくて。


たぶん前世は
「メロスか私か」ってくらいの走り屋だったんじゃないかって
勘違いするくらいハマッてしまって

 

なんで今までマリオカートで済ませてたんだろうって。

世の中とっくに2次元じゃなくて3D、いや4Dの時代なのにだいぶ乗り遅れてた。

 


特にウィンカーを出してるとき(の自分)に
カッコ良さを感じてしまって
それはもう、ゲームにはない臨場感。

赤甲羅なくてもスターがなくても

やっぱりここは
マリオカートにはない
ウィンカーだな、と。
右に行くも左に行くもお知らせしながら思いのまま。

まぁ、その日から趣味の項目の『マリオカート』の次に『ドライブ』てゆー
ちょっとだけアクティブ要素が追加されたワケで。

そんな感じでね、1人で歌いながらドライブするっていうのが習慣化しているんですが。

 

この前も
友達の家からの帰り

 

高速道路がすごく空いてて、前も後ろも車ゼロで
ラッキーラッキーっつって
歌声も思わず大きくなる、オンリーワン・ステージで

若者に人気の、嵐とか聴いちゃって
ジャイアン・リサイタル開催していたんだけど

 

トンネルに差し掛かったときに

けたたましいほどのバイクの音が後ろから聞こえてきた

その音に、ピンときた
あー、これは1台じゃなくて、複数台だな、と。

 

ヴォンヴォヴォブォブォォォンっつって

そう、道路を暴走する団体御一行様がバックミラーに映るのを確認したかと思った瞬間

 

カーチェイスをくぐり抜けた熱き若者集団に取り囲まれて

私の周りだけちょっとしたアルマゲドンになってた

これが、あの鬼塚先生が口酸っぱく言っていた、G・T・O(グレた、ティーンの、追い込み)なの?

右からも後ろからもヴォヴォヴォンってリミックスされて
トンネルの中ということもあり、音が跳ね返って
ちょっとした5.1chサラウンド。
アベノミクスよりもミクスされてるこの空間。

GTOは、音も去ることながら
近くで見ると結構な迫力でさ

横のバイク、、すれ違いざまに
これがあのナポレオンの肖像画?ってくらいのウィリーしてるし。

マリオカート以外でウィリー、、初めてみた。

 

その若者たちは
これがロボットの最終形態です!って言わんばかりに
バイクに背もたれ?つけてみんなオソロコーデしてて

それに、「上等!」とか「○○連合!」とか、各々の思いの丈を文字(主に漢字)にしてて

 

なんならその渦中にいる、私も一員なんじゃないかってくらい
右も左も前も後ろも『夜露死苦』されてた

たしかにね、『私の前世は走り屋なんだと思う!』とか
友達に言いふらしてた

でもさ、あくまで、あくまでもね、それは前世の話だし

 


それに付け加え私は

東京生まれでも
ヒップホップ育ちでも
悪いやつはだいたい友達でもない

むしろ田舎育ち、友達少なめ
ヒップホップよりも
お恥ずかしながら、、こう、お尻の、、ヒップアップの方が興味ある

 

それに私の車、コーディネートとして付いてるの、初心者マークくらいだし
さりげないものだし

連合とかそーゆーの、書いてないけど

 

傍から見たら、友達少なめの私に
いきなり大勢の仲間ができたのかなってくらいの大行進で

それはそれで、アリなのかなって思いながら

 


ちょっとした護衛つきのパレードの中心になって進んでると


バイクの音とはまた別の
火曜サスペンスの犯人追ってるよ的なシーンの

あぶないよーきみたちはすでに包囲されてるよー、的なアナウンス付きで
追跡24時!みたいなパトカーがウーウーしてて

 

どっちかっていうと、今の私の状況が若者に包囲されているっていうか
GTO的に言うと「軍に、取り囲まれた、おばさん」って感じなもんだから

 


どうか!私を!助けて!って、SOS!って
モールス信号っぽく、ここぞとばかりにウィンカーを出してみたんだけど

 


1ミリも興味持たれることもなくって
パトカー、私の横を通り過ぎていって

その瞬間にクモの子が散るように、周りにいた若者たちもスピード上げて去っていった。

私はそのスピードにとても追いつかず、取り残されるし

それと同時に重低音も遠ざかっていく。

 

 

残ったのは、トンネルを照らすライトと、車内に流れる嵐の曲だけ。


GTO的に言うと「ぐずぐずしてたから 取り残されて おひとりさま」

 

イケてない
池田の日常