奥のコソ道

池田ですが、イケイケではないです。イケてない方のイケダです

奥の細道は細くて細くて

月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。

 


松尾芭蕉がね、『月日ってのは、永遠の旅人みたいなもんだよー』って言ってる、奥の細道の冒頭の一文。

 


月日すらも旅人なのに

私なんて仕事とかでウロウロうろたえるただの会社員。

 


私だって旅人気取りたい!

ってことで、旅してきました。

 

そうだ、京都に行こう、と。

 

どうせなら、自分を見直そう、と。
自分探してみようかな、と。

 

京都と言えば、お寺巡りだし
自分を見つめるのに手っ取り早いなーって思ってね、東福寺ってことで『座禅&写経体験コース』みたいなのを予約しまして。

20人くらいいる中、やってきた

 


海老蔵さん似のお坊さんがね、好きな座布団に座ってくださいねーて言ってたから

一列目の端っこに陣取ったわけなのですが
隣にめちゃくちゃ美女が座ってきて、それだけでも緊張がプラスされてるのに

私の後ろにね、もーどっからどー見ても、オカマの男性二人がね、座ってきて
キャッキャッてしてんのね。

 

後ろから感じるオーラ?っつーか
圧が半端ないの。

寺でオカマーズがいることにね
もーね、衝撃的。
この非日常な出来事に
自分の緊張心のキャパシティが振りきっちゃって

 

まるで集中できないまま始まったんだけど

座禅のルールとしては、あぐらの状態で
両手は円を描くように組む仏様のポーズ
目は閉じずに目線を下にする半眼で、鼻で深呼吸をするらしく
邪念が入ったり、眠気がきたら、合掌をするとお坊さんが『ぺしーん!』ってしてくれるってゆー、システムで
要は自己申告制だったの

 


始めの数分は、みんなが探り探りだったのかな、誰も申告しなかったんだけど
一人がぺしーん!されると

我も我もとみんながハエたたきのようにどんどん肩を叩かれてく

 


私はと言うと、会社の人にね『都会に染まってる人は、邪念ありすぎて無になれないんだよ』って言われてたからね
無になれるってとこを証明したかったとこあるし
座禅ツウなところをね、この場で見せたい!みたいな


変な使命感にかられてまして
申告してたまるか!ってね、思ってたんだけど

お寺の庭側に座ってたからかな
耳の後ろを蚊にさされたようで

 

とんでもなく、かゆーてかゆーて
あーもー!掻きむしりたい!ってね、ずっとウズウズしてた

 

しかも後ろのオカマさんが叩かれた瞬間に、漏れた『ヴッ』って声が、完全に男の声で
今、男の部分出したよね?出しましたよね?
って心の中で問いかけちゃって

100%邪念でできてた、私の心。

 


でも、参加者ほとんどが叩かれてるなか
隣の美女が全然申告しないから

 

さーぁ、最後に残るのはどっちだー?って徳光さんあたりのナレーションが付いてきそうな
一騎討ち勝負になってて

耳の後ろすぐにでも掻きたかったけど、ガマンして30分やり遂げた

叩かれるのが醍醐味なのに。

 


終わったあと、叩いてた木の棒を自由に触れてオーケーな時間があったんだけど

叩かれなかった代わりに
せめて触れるチャンス&チャンスだったのに


オカマさんたちが『ヤァダー!これ固ーい!』とか言いながら触ってて
なかなか離さなくって
私も、、それ、、触らせてほしい
って願ったんだけど

 

池田さんは写経の時間です、と別室に連れてかれて
結局、棒には1ミリも触れないまま
アンタッチャブルな座禅だった

 


そして最後にお坊さんから『あなたはだいぶ体勢崩れてたから、邪念がありましたよね?』って言われました

 

 

バレてたー!

 


イケてない
池田の日常